ここ数年、ヤフオクで気前よく大人買いしてくれる落札者がちらほら見かけます。
明らかに一般の落札者とは異なる買い方で、その取引のやり取りの中で「代行業者」だということがわかります。
ヤフオクを長年やっている人は、この代行業者に何度も遭遇していることでしょう。
そしてこの代行業者には、以下のような特徴があります。
ヤフオクで群がる代行業者の特徴
代行業者には日本人と外国人がいる
ヤフオクに群がっている代行業者は、日本人代行業者と外国人代行業者がいます。
日本人代行業者は、日本人が代行業を行いヤフオクなどで安価な商品を大量に落札し海外向けに売ることが多く、外国人代行業者は、外国人が代行業を行い、同じく日本国外向けにヤフオクで落札した商品を販売していますが、外国人代行者の多くは中国や台湾などの中華系が多いようです。
代行業者には個人落札者を装う者もいる
最近では、代行業者を嫌って「代行業者お断り」と出品情報に記入する出品者や、代行業者をブラックリストにいれる出品者が増えてきているため、別のヤフーIDを取得して個人を装いながら落札してくる者もいます。
個人を装った落札者は、発送先の住所の末尾に管理番号を記入するように指示してきたり、管理番号を住所の一部のように見せて発送先を知らせてくるので、すぐに代行業者だと見分けがつきます。
代行業者の多くは複数アカウントを持っている
ヤフオクを利用している代行業者の多くは、複数のヤフーIDを利用しています。そのため、取引の過程で代行業者のマナーが悪く、次回からの落札を拒否するためにIDをブラックリストに入れても別のアカウントで入札してきます。
いろいろと注文が多い代行業者のしくみとその手口
代行業者に落札された場合、業者にもよりますが、多くの場合、以下のような通常の取引とは異なるさまざまな注文を受けます。
(1)落札後、取引ナビを拒否し独自のメールフォーマットで個人情報を書かせる
通常の落札者の場合、落札された後は取引ナビ上でのやりとりになりますが、代行業者は取引ナビを使わずにメールフォーマットに個人情報を記入するよう指示してくる場合が多く、トラブルが生じた場合に、規約違反でヤフオクへの訴えが効かなくなる恐れがあります。
(2)発送商品の送り状に「オークションID」や「管理番号」を記入するように指示
ヤフオクで出品した商品には、その商品にオークションID(商品ID)が自動的に付与されます。
代行業者は毎日大量の商品を落札し、それを商品購入希望者に発送する過程で、商品の取違えを無くすために、オークションIDまたは、独自の管理番号を記入するように指示してきます。
個人的には、代行業者であっても何のトラブルもなく商品を購入してくれる落札者であれば、商品IDや独自の管理番号くらいなら喜んで記入するのですが、問題なのは代行業者と関わるとトラブルに見舞われる確率が高いんですよね。
(3)落札した商品の厳重な梱包を要求してくる
代行業者は主に落札した商品を海外に発送するため、出品者に対し、「プチプチを二重にしてほしい」、「外側は段ボール箱で梱包してほしい」、「段ボール箱のサイズは〇〇で」という具合に、必要以上の梱包を要求してくる場合があります。
これは代行業者自身が梱包する手間を省きたいからという理由のほか、海外発送では配達員が日本のよう荷物を丁寧に扱わず、輸送車などの荷台に摘む際に荷物を投げ入れたりするのが当たり前なので商品が破損するのを防ぐためという理由があるようです。
(4)外国人代行業者の場合、出品情報をガン無視、日本語が意味不明
外国人代行業者の場合、出品情報を全く読まず(というか読めない?)に落札してくることがよくあり、例えば海外発送をしないと設定しているにも関わらず入札してきて、落札後に海外発送を要求してきたり、落札料金に郵送料を含めさせようと無茶を言ってくる場合もあります。
また、落札後のやり取りも翻訳サイトを使っているのか、日本語が意味不明であることも良くあります。
(5)クレームの連絡窓口を出品者の連絡先にする
外国人代行業者、または代行業者は日本人であっても外国人顧客のために代行をしている業者は特に注意が必要です。
彼らは落札した商品を一旦、自分のところの倉庫事務所などに送らせます。
そして、倉庫事務所に全国から送られてきた無数の荷物の中から、落札された商品をすぐに見つけ出すことができるようにするため、送り状に書かれたオークションIDまたは独自の管理番号を使って照合します。
そして、照合して見つかった商品の送り状の上に、今度はその商品の購入を希望している海外のお客の住所と出品者の連絡先が書かれた送り状を新たに貼って、そのまま海外発送します。
これにより代行業者は商品が海外のお客に届いた後、商品にトラブルがあった場合、お客は送り状に書かれている出品者の連絡先にクレームを入れてくることになります。
代行業者はクレームを回避できるというわけですね。
ある日突然、日本では見かけない電話番号から何度も電話がかかってきて、電話に出てみたら、何を言っているのかさっぱりわからない中国語で怒鳴り散らされた・・・、というのは実話です。
海外向け代行業者は、ヤフオクの情報を流用した海外顧客向けの代行サイトで荒稼ぎしている
自分のヤフーIDや出品タイトルを使ってGoogle検索すると、自分が登録したヤフオクの出品商品情報を扱った海外サイトがヒットすると思います。(そのほとんどが中華系)↓
検索すると無数にありますが、代行業者がオークションサイトを使って荒稼ぎをするための仲介的役割を果たしています。
また、ヤフーJapanが直接、海外大手サイトと提携してヤフオクの商品情報を勝手に海外へ垂れ流しているものあります。
またこのほかに、中国であれば「微博(ウエイボー)」や「微信(ウエイシン)」といったツールを使って代行業を行っている個人や業者がたくさんいますが、この代行業のことを中国語では「代購(ダイゴウ)」と言います。
代行業者を遠ざける11の対策!
代行業者の現状を長々と書いてしまったので、最後に代行業者から身を守る方法について、箇条書きで紹介します。
(1)取引ナビ上でのやりとり以外には応じない
(2)代行業者のIDをブラックリストに入れる
(3)悪い評価が多い利用者の入札を拒否する
(4)オークションIDや独自の管理番号の記入を断る
(5)海外発送を断る
「海外発送できません」と設定しているのにもかかわらず、稀に入札してくる外国人がいますので、商品情報にも「No international orders available.」や「International Shipping Service Available」、「No international orders」と記入しましょう。
(6)日本語の通じない利用者の入札・落札を断る
ヤフーのガイドラインでは「日本語が理解できること」が利用規約として明記されています。(http://special.auctions.yahoo.co.jp/html/guidelines.html)
その規約にもとづき、商品情報ページに「Japanese sperker only」、「Japanese only」と記入しましょう。
(7)多言語で注意書きを表記する
(8)商品の梱包方法や発送方法の指定を断る
(9)発送上のトラブルを避けるため補償有発送を指定する
(10)無茶な要求をしてくる落札者に対しては毅然と入札を取り消す
(11)海外顧客をターゲットにした代行業者は為替レートで対処する
以上です。上記のうち、「代行業者のIDをブラックリストに入れる」については、「代理落札・入札代行業者 ID」でググるとIDが晒されているので、それらを地道にブラックリストに入れていきましょう。
代行業者は複数のIDを持っていて、悪い評価がたまったり、ブラックリストに入れられて入札を拒否されると新たなIDを取得して入札をしてくるのでイタチごっこなのですが、それでも効果は絶大です。
ちなみに、わたくしビズ男のブラックリストはまもなく500件に達しようとしています。
最後に、海外顧客をターゲットにした代行業者は、為替の影響がもろに出るので為替レートを見ながら、利益が出せない価格設定で出品すると良いでしょう。